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AIは動画を作れるのか?

AI(artificial intelligence=人工知能)は様々な分野でイノベーションをもたらしています。

そしてそれは動画領域においても同様です。動画において、AIはどのような活用が期待されるのでしょうか。

まず、動画を制作すると一口に言っても、以下の工程があります。

  • 動画の脚本を書く
  • 動画を撮影し、素材を収集する
  • 動画を編集する

1:AIが動画の脚本を書く?

動画を作成する上で欠かせない工程は「脚本」です。簡易的な動画、例えばサービス紹介動画のようなものであっても、長編映画であっても、動画には必ず脚本が存在します。

脚本を書くということは、クリエイティブなものとして捉えられ、さすがに人にしかできない作業だと考えられてきました。

しかし、今から2年前の2016年、AIが映画の脚本・監督を務めるというとても驚きのニュースがありました(*1)。ストーリー 作成やクリエイティブという側面においても、AIが人間の代わりになれるかもしれない、という問題提起としては十分にインパクトがある出来事だったのではないでしょうか。

*1「AIは「映画監督」になれるか? 自動生成された不気味な映像作品から見えてきたこと(動画あり)」https://wired.jp/2018/06/25/ai-filmmaker-zone-out/ (参照:WIRED)

とは言え、AIが作った映像はとても奇妙な出来で、完成度としてはまだまだのようです。

2:AIが動画編集を行う?

次に考えられるのが、動画の撮影や素材収集は今までどおり人が行い、編集を担当するのがAI、というパターンです。

動画素材を組み合わせたり、決められた秒数に収めたり、適切なエフェクトをかけたりと、編集作業は時間がかかるものです。もしこの一部でもAIによって自動化されれば、作業効率化が一気 に進み、動画を制作するスピードは劇的に早くなることでしょう。

このことは特に、デジタルマーケティングにおける動画活用において重要です。なぜなら、ユーザーが大量の情報にさらされる、いわゆる情報過多の状況においては、ユーザー一人一人にターゲティングされた情報を送る必要があり、必然的に複数あるいは大量のパターンのクリエイティブを作成する必要があるからです。

例えば動画広告を配信する場合、通常であれば、複数のパターンのクリエイティブを作成してABテストを行う、あるいは、配信結果に基づいて、より効果の高いクリエイティブを編集・生成しなおして配信する、といった作業が発生します。

そこでAIを活用すれば、複数クリエイティブの生成、配信結果の分析、分析に基づく編集・生成を自動化することも可能であり、マーケティングプロセスの改善スピードが劇的に向上します。

これまで人間の勘や手作業に頼っていた部分が省略されることで、完全にデータドリブンかつオートマチックなアプローチとな り、マーケティング効果の最大化に寄与することが期待されます。

すでに実用化も進みつつある

こうした動画におけるAI活用は、夢物語ではありません。すでに実用化されつつあります。

IBMの「Watson」が、2017年に開催されたテニスのウィンブルドン選手権において、「ファンの歓声、選手の動き、試合のデータなどを分析して自動的にハイライトを選定し、動画を作成」(*2)したそうです。

*2「IBMのAI「Watson」がウィンブルドンの名場面を選定、ハイライト動画に」

https://japan.cnet.com/article/35103704/(参照:Cnet )

我々livepass自身も、大量の動画クリエイティブパターンを生成・ 配信後、得られた視聴ログをもとに、ターゲットに合わせて最適な動画を自動抽出するというAI技術を開発済です。(詳しくは2018年4月のニュースリリースを参照

これにより、例えば以下のようなユースケースを実現できるようになります。

ケース1

自動車メーカーが何百通りのパターンの動画広告を生成・配信。日中は「砂漠を走る動画」、夜は「都会のドライブ動画」が視聴時間が長い場合、それをAIが自動的に判別し、次回配信時には日中と夜でコンテンツを分けて動画を生成・配信する

ケース2

化粧品メーカーが複数の女性タレントのシーンを組み合わせた動画広告を生成・配信。その中のある女性タレントがドラマなどで急に注目を浴びた場合、AIがその女性タレントのシーンを多く起用した動画を自動的に生成し配信する

AI×動画の将来

AIの進化は止まる様子がありません。特に、動画への活用はまだまだこれからなので、AIの動画活用は伸びしろの多い領域だと言えるでしょう。動画において、AIがどこまでできるのかに注目が集まります。

AIが人間の知性を超える特異点、シンギュラリティが訪れると予想されているのが2045年。さて、AIが人間の代わりに動画を制作できるようになるのは、いつでしょうか?

2040年?2030年?ひょっとすると、それは数年後かもしれません。