livepass株式会社

海外銀行の動画×CRM事例 その1 「ウェルカムメッセージ」

今回は、CRM領域で海外銀行が動画をどのように活用しているかを、複数回に分けて取り扱います。

動画×CRMの問題意識

本記事は、特に銀行関係者の方で、

  • 動画をマーケティング・ツールとして使いたいが、具体的にどのようなユースケースから始めればいいか
  • 海外銀行は、動画をどのようにCRMに利用しているか?
  • 動画が、具体的にどのように銀行の業務プロセスやCRMを効率化するのか?
  • 動画は、どこまで有人対応を置き換えられるのか?

といった疑問を持つ方向けの内容です。

海外の銀行は動画を業務プロセスを効率化する手段として積極的に活用しているため、海外の動画事例を見ることで、こうした疑問の解決につながることが期待されます。今回は、イメージを持っていただくため、動画の内容に少し深入りします。

銀行CRMにおける顧客ステージ

商業銀行で言うと、CRMの顧客ステージは大まかに以下のように分けることができるでしょう。

  • 預金口座を開設した顧客
  • 預金口座を継続的に利用してくれている顧客
  • メインバンクとして利用してくれている顧客
  • 預金以外にも、仕組み預金・外貨預金・投資信託・保険など、より広い資産運用の窓口として利用してくれている顧客
  • 預金以外にも、住宅ローンやカードローンなど、資産だけでなく、負債・借入の窓口としても利用してくれている顧客

全体像を描くとこのようになります。

海外の銀行は、こうしたCRM領域の各ステップにおいて、適した内容の動画をうまく使い分けています。(本シリーズで取り上げていきます)

なお、CRMは定義上、既存顧客に対するものであるため、顧客の状況・情報を活用したパーソナライズされたメッセージを配信することが重要です。したがって、CRMで活用される動画は、内容がパーソナライズされた動画が多いのが特徴です。 

口座開設してくれた顧客に対して

まずは上記の第一ステップ目です。イギリスのBarclays銀行が、口座開設してくれた人に対して送ったパーソナライズ動画の事例です。

このパーソナライズ動画は、2016年に英国の複数のデジタルマーケティングの賞にノミネートされたり受賞したりと、高い評価を受けています。

この動画は、口座開設した人に対して、Eメールで送られました。

動画の内容としては、

  • 動画の冒頭などで、顧客の名前を呼び掛け(パーソナライズ)
  • 口座開設時に申し込んだ内容の確認(パーソナライズ)
  • 近日中に郵送されるものを確認(パーソナライズ)
  • モバイルバンキングアプリの案内(汎用)

(出所:https://youtu.be/bwQq3uzkYHc

口座開設後にこのような動画が送られれば、顧客としては自ら窓口に出向いたり、電話をかけることなく、自分の好きな時間に動画を見て申し込み内容を確認できます。コールセンターに電話したものの、電話がつながらずにイライラ、といった状況も避けられます。そして、こうした動画が送られれば、顧客は、銀行が自分に注意を向けてくれていると感じることでしょう。

他方、銀行側のメリットは何でしょうか?

この動画をご覧になった人は、Barclaysは、直接の取引につながる(利益を生む)内容ではないのに、なぜこのような動画に費用を投じたのか?と疑問を持った方もいらっしゃるかもしれません。しかし、銀行からすると、口座開設は始まりにすぎません。せっかく口座開設をしてもらっても、預金をしてもらい、その他商品やローンなど利用してもらわなければ、収益につながりません。口座開設してくれた人をフォローすることは、直接の利益を生まなくとも、着実に初回取引につなげ、最終的に収益を生むための重要なステップです。

こうした、直接の収益につながらないが、業務継続に必要かつ定型化された内容で、今までは人間が窓口や電話で対応しコストがかかっていたプロセスが、もしこの動画を送るだけで済んでしまうのであれば、プロセスの効率化につながります。

(海外銀行の動画×CRM事例 その2へと続く)