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ポートフォリオも動画で説明する時代

本日は、銀行・証券・アセットマネジメントなど、資産運用に携わる方向けの記事です。

問題意識

Eメールやウェブサイト、あるいは営業マンによる人的対応など、従来のコミュニケーション施策の効果に限界を感じていませんか?

動画はまだ、日本の銀行・証券・アセマネ業界ではそれほど活用が進んでいませんが(ネット系の会社は別)、動画をうまく活用することで、これまでリーチできなかった層にリーチできたり、既存施策と動画を合わせて活用することで効果を底上げできる可能性があります。

以前の記事でも取り上げましたが、海外の大手銀行は、積極的にオンライン動画を活用しており、その用途も、インターネットバンキングやモバイルバンキングの操作説明・資産運用のアドバイス・コンテンツマーケティングなど様々です。

本日はその中でも、海外大手金融機関の、顧客のパーソナル情報と連携した資産運用関連の動画事例を取り上げます。

T.Row Priceの事例

運用資産額では世界でも10本の指に入る、アメリカの資産運用会社 T.Row Priceのパーソナライズ動画の事例です。(出所:https://sundaysky.com/customers/t-rowe-price-529-college-savings/) 

子供の学資貯蓄の状況を説明する動画ですが、構成は以下のようになっています。

  • まず現状でのポートフォリオや貯蓄額を説明
  • 子供が大学に入学する年齢である18歳までに増えると見込まれる貯蓄額を説明
  • 公立大学・私立大学それぞれにかかる費用と対比する

 学資貯蓄という商品は、日本にもあるもののそれほど一般的ではなく、大学の学費が高いアメリカならではのものと言えるでしょう。しかしながら、個人の貯蓄状況を具体的に示し、将来必要な額と照らし合わせることによって、現状の課題に気づきを与えるという構成は、資産運用一般に応用できる内容と言えるでしょう。

AXAの事例

総資産額で見れば世界トップの保険会社であるフランスのAXAの事例です。

(出所:https://www.youtube.com/watch?v=pAtzlVJBhvw) 

動画は変額年金保険に関するものですが、内容には以下のものが含まれています。

  • 契約内容を確認
  • 現状のポートフォリオ構成をレビュー
  • ポートフォリオに含まれるアセットクラスのヒストリカルパフォーマンスを説明

この動画自体は、変額年金保険に加入した契約者に対して、契約内容を確認するためのものですが、動画の内容としてはかなり資産運用よりのものとなっています。

動画である必要は何か?

さて、そもそも動画で説明する理由は何でしょうか?

伝える情報の量や内容だけを見れば、Eメールや印刷物(テキスト及び静止画)でも同じことが可能ですし、コストもそれほどかからないでしょう。しかし情報を送るだけで営業活動に事足りるのであれば、動画はおろか、営業マンもいらないことになりますが、そんなはずはありません。

逆に、個々の投資家に確実にメッセージを伝え、その反応を見ながらパーソナライズされた提案を行うのであれば、営業マンにかなう手段はありません。そうなると営業マン以外の手段はいらないのでしょうか?これもそんなことはありません。営業マンを投入するには相応のコストがかかります。

下の図は、以前の記事でも提示したものですが、各コミュニケーション手段をマッピングしたものです。内容がパーソナライズされた動画は、視覚と聴覚に訴えるという意味では営業マンによるコミュニケーションに近い顧客体験を提供します。さらに、デジタル施策であるがゆえに効果計測が容易で、素早くPDCAを回せるという特徴も同時に有する、バランスのとれた手段です。(エンドユーザー側から見れば、見たい時に見れる・時間を拘束されない、というメリットもあります)

当たりはずれのあるファーストアプローチから営業マンを投入するよりは、パーソナライズ動画などのデジタル施策で見込み顧客の反応を確かめた上で、購買可能性の高い顧客に優先的に営業マンを投入することで、営業プロセスの効率化を図ることも可能になるでしょう。まさにこうした営業プロセスの効率化・コミュニケーション手段の最適配分が、こうした動画施策を行う海外金融機関の意図であると考えられます。

銀行・証券・資産運用への応用

上記の事例を踏まえた上で、銀行・証券・資産運用業界向けの想定ユースケースは以下のようになるでしょう(あくまで例です)。

  • 預金残高や保有資産の状況を動画で説明し、現状についての気づきを与える
  • 現状の状況に紐づいて行える提案があれば、動画で行う
  • 例えば銀行であれば、外貨預金・仕組み預金・投資信託などのアップセルや、住宅ローンやカードローンなどのクロスセルを試みる
  • 証券であれば、すでに購入している投資信託のパフォーマンスを説明した上で、同商品・類似商品の追加購入や、別の商品・アセットクラスを薦める
  • アセマネであれば、商品の販売は銀行や証券会社などが行うため、投資家の情報を持っていないケースが多いでしょうから、例えば自社で扱う投資信託や各種アセットクラスのパフォーマンスを示し、ポートフォリオの配分を変更することで、ポートフォリオのパフォーマンスをシミュレーションし、顧客に気づきを与える内容などがありえるでしょう。             
  • 上記全てのユースケースにおいて、顧客の詳細な視聴行動やどのような商品に興味があるかといったデータを取得すれば、営業活動に示唆のある情報が得られるでしょう。

まとめ

繰り返しになりますが、海外の大手金融機関は積極的に動画をマーケティング活動に取り入れています。しかし、ただ動画を配信して終わり、ということではありません。詳細なデータを取りながら素早くPDCAを回すというデジタル施策ならではの特徴を生かしつつ、時に内容をパーソナライズすることで、深い顧客体験を投資家に提供しています。

動画をうまく活用することで、Eメールやウェブサイト、あるいは営業マンによる人的対応と合わせて、コミュニケーションの効果を効率化できる可能性があります。一度検討してみるのはいかがでしょうか?

金融機関は資産を取り扱うだけに、情報のセキュリティに対しては厳格ですが、livepassでは、事前のお客様情報の連携を必要としない形でパーソナライズ動画を提供することも可能です。ご興味のある方はお気軽にお問合せください。